このサイトでは、不動産登記法の改正について、平成17年1月1日(施行予定日)までフォローします。
なお、オンライン申請に関する情報は、従来のサイトに掲載をします。
2003-08-26
岐阜県における電子代理申請実証実験 実験報告書
http://www.e-ap.gr.jp/topics/030825/report.pdf
2003年5月12日 電子申請推進コンソーシアム 電子代理申請実証実験WG 主査 川口弘行 (株式会社クリックス 開発部/行政書士)による『岐阜県における電子代理申請実証実験 実験報告書』が公開された。
この報告書のなかで、特に目を引く点は、下記の一節である。(同報告書17頁以下)
-------------以下引用
6.4 添付書類の扱い
今回実験対象とした業務は建設業営業年度終了届ですが、この営業年度終了届には法人事業税納税証明書を添付することになっています(知事許可業者)。電子申請上でこの添付書類をどう扱うのかについて、一つの対処事例を運用してみることにしました。
私たちが「カナダ・トロント方式」と呼んでいる方式で、添付書類(今回は納税証明書)を、委任契約を交わす際に申請者から代理申請者に渡します。添付書類を受け取った代理申請者はこの添付書類の内容を確認し、原本証明(ノータリーパブリック)を行います。
原本証明を行った代理申請者は自己の名で「原本と相違ない」旨の確認証を電子署名付の文書ファイル(今回はPDF形式としました)にして、以降の電子申請の流れに一緒に乗せてしまうという方式です。
(一部図版省略)
カナダでの電子申請ではこの「トロント方式」で肯定されているのですが、日本においてはこの部分にいくつか法解釈があり、そのまま肯定されるものではありません。しかし、日本の法的資格者(弁護士、司法書士、行政書士等)が日本の公的証明書(パスポートなど)の原本証明を行い、外国の機関に対して証明書類として提出が可能であることも事実です。また、許認可申請の際に法人の定款のコピーを申請書に添付する場合、法人代表者が代表印を押印した上で定款の写しの原本証明を付けるという運用もあることから、申請の代理が正当に行われている限り、これら書面の原本証明を代理申請者が行うということは、むしろ自然な流れではないかと考えます。
-------------以上引用
この報告書で言う、「カナダ・トロント方式」は、世界で初めてオンライン登記申請を実施したカナダ・トロント州のオンライン登記システムを視察した報告書に詳しい。
1997「オンライン申請と法律家の役割」−カナダ・オンタリオ州視察報告−(司法書士英国法研究会オンタリオ州視察団)
1998「オンライン申請と法律家の役割U」−不動産取引・司法書士はこう変わる!−(司法書士英国法研究会カナダ・オンタリオ州第一次・第二次視察報告)
この視察により、私たちは、添付書面を送らない(法律家の元に保存をしておく)という制度を提言したが、その後第四次イギリス視察の結果を踏まえ、また最近の技術革新の結果からも、添付書面を「送れないから送らない」制度ではなく、「送れるが送らなくてもよい」制度の提言に変わってきたところである。
添付書面の扱いは、電子申請(登記申請のみならず)における大きな問題である。そしてそのことはまさに電子申請に関わる法律専門家のありようにも大きく影響してくる問題なのでもある。
この意味から、上記実証実験の持つ意味は大きく、その結果を利用者である国民のために役立たせることが求められていると思われる。
2003-08-15
論考「不動産登記法改正の何が論点か」/早稲田大学教授 山野目章夫(月報司法書士2003.8月号 P54)
「オンライン登記申請制度研究会最終報告書[PDF]」(民事法務協会)から「電子情報処理組織を使用する方法による申請の導入等に伴う不動産登記法の改正に関する担当者骨子案/同補足説明」(法務省民事局)に至る経緯における、今次不動産登記法改正のもつ本質的な意味を解説。
目次
1 新しい登記申請手続の構想
1 登記義務者の本人確認
2 登記原因の真正担保
2 司法書士職能と新しい登記申請手続
1 克服されるべき二つの仮設
2 専門家としての司法書士という観点
-----------
(参考)
日本司法書士会連合会
「電子情報処理組織を使用する方法による申請の導入等に伴う不動産登記法の改正に関する担当者骨子案」に対する意見(H15.7.31)
2003-08-12
登記済証の廃止がもたらす意味
登記済証は、その原本を見ずして「偽物」を「偽造」することが可能である。実際にそのような偽の権利証が犯罪に使われた例はある。
この場合、偽の権利書を提出して登記申請がなされた場合、仮に登記官がそのことを看破できなかったとしたら、その責任が問われることになる。いかなる注意義務を果たしても看破できない程度に精巧であればそれは責任を負わすことはできないという議論は一方ではあるが、登記官が(引いては国が)責任を負うこととなる可能性は回避できない。
これに対して、登記識別情報は、その本物の見ずに「偽物」(といっても、これは機能的に本物なのであるが)を作出することは不可能に近いと考えられる。しかし、反面一度本物を見られてしまうと、コピー(たとえそれが筆写であっても)という極めて簡単な方法で、「本物」が作られてしまうことになる。
そして、この本人以外の者によって、本人の了解なしに複写された登記識別記号が、本人の意思によらずに使用(登記所に提供)された場合、登記所において、その登記識別記号は正に「本物」なのである。それが、第三者が不法に複写したものであるということから受ける本人の不利益は、本人の登記識別情報の管理不十分との自己責任によって、本人自らが甘受すべきものとされているのである。
そして、このことを避けようとするなら、それは登記識別情報そのものを破棄(失効)する方法があることを、法務省担当者骨子案は教示するわけである。
登記済証から登記識別情報への変更は、オンライン申請に適応できる不動産登記法の改正という意味のみならず、登記済証偽造という犯罪行為の危険負担を「国」から「制度利用者たる国民」へ転換するという意味があることを見逃してはならない。「制度利用者の利便性」というIT社会のキーワードは、単にその「耳障りのよさ」に惑わされることのない本質を見極めていなければならない。
★市民公開シンポジウム「権利証がなくなる日」★
平成15年9月1日(月)午後7時開演(入場無料)
場所 東京国際フォーラム ホールD7
パネリスト
魚住裕一郎(参議院議員)
吉永みち子(作家)
山目章夫(早稲田大学教授)
藤川忠広(日本経済新聞論説委員)
主催 東京司法書士会/東京司法書士会政治連盟
2003-08-06
登記識別情報方式の採用を前提とする【法務省担当者骨子案】と【日司連意見書】における比較
まず、骨子案では、登記識別情報の提供がある場合、紙申請では印鑑証明書と登記識別情報のみで本人の確認をおこない、オンライン申請では電子署名(電子証明書)及び登記識別情報で本人の確認をおこなうとしている。

法務省担当者骨子案に対して、日司連意見書は、登記識別情報が登記済証に比べて本人確認機能が劣ることから登記の申請担保機能が相当低下すると考えられる事から、人的な確認方法によって補完する必要があるとするものである。その方法は、所有権に関する登記については、厳格な事後通知をおこなうことで、万一虚偽の登記がなされた場合にも真実の名義人にそのことを早く知る機会を保証しようとするものである。司法書士、弁護士の資格者代理人が申請している場合には、本人確認情報の添付(提供)を義務づけるとしている。
なお、所有権に関する登記以外の登記に関しては、本人申請の場合と資格者代理人による場合とを問わず、事後通知を行うものとし、資格者代理人の本人確認情報が任意的に添付(提供)された場合には、事後通知を省略できるとするものである。
*厳格な事後通知と単純な事後通知の相違/登記義務者の現在の住所地の他、一定期間(6ヶ月ないし1年程度)内に住所移転登記がなされている場合には、旧住所地(複数あれば複数個所)宛にも送付する場合を、「厳格な」と表現している。

2003-08-05
日司連意見書にある
『資格者代理人は、国民から委任を受け、経済取引および不動産取引の安全性を確保し、登記手続きの円滑に資する役割を期待されており、その立場からも、公的個人認証の有効性検証制度の確立が必須である。』
との意見について、その背景と意義。

【第1例】売買取引のみの場合
司法書士は、本人確認において登記権利者B及び登記義務者Aの電子署名の検証と、電子証明書の有効性の検証を行う必要がある。仮にこの電子証明書の有効性の検証ができないとすれば、それは例えば封筒に入れて封をされた印鑑証明書を差し出され、それで委任状に押印された印鑑が実印であるかどうかを確認せずに登記申請をおこなうようなものであって、司法書士業務としては全く行い得ないものとなる。
登記義務者Aの電子証明書の有効性確認は、仮に「登記識別情報」が採用されたとして、そしてその有効性確認制度が創設された場合、Aの登記識別情報の有効性確認を司法書士が代理人となって申請する場合、その委任状にAの電子署名及び電子証明書の添付が要求されるところから、結果的に法務省によってAの公的個人認証の有効性が確認される結果となるが、登記権利者Bの電子証明書の有効性検証の方法はない。
登記権利者Bが、そのことを承知で決済に応じるのであれば、司法書士としては、その危険性を十分に説明をしてBの承諾を得ることで、売買の決済を進めることも可能と考えられる(しかし、好ましい取引形態でないことは明らかである。)。
【第2例】売買取引と、抵当権設定とが連件で行われる場合
上記第1例で、仮に登記権利者Bの電子証明書の有効性検証をせずに決済をすることが許される場合(Bに対して十分に説明をした上で承諾があった場合)であっても、同時に抵当権設定がある場合(一般にこのようなケースが多い)、抵当権設定においてはBは登記義務者であり、司法書士としては登記義務者の電子証明書の有効性を検証し得ないと言うことになる。そして、このことは引いては、抵当権者Cに対して、抵当権設定登記完了の確実性を保証できない結果となり、抵当権者Cは融資実行をせず、その結果AB間の売買取引も決済ができないこととなる。
以上のように、司法書士が関与する不動産売買取引(抵当権設定等の金融取引を含む)の円滑な実現のためにも、資格者代理人に対する公的個人認証の有効性検証権限の付与が不可欠なのである。
−公的個人認証の有効性検証は本当にできないのか−
電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律(平成14.12.13法律第153号)
第17条第4項は
第1項の届出を受けた都道府県知事及び当該届出をした者(以下「署名検証者」という。)は、当該都道府県知事が次条第一項及び第二項の規定により提供を行う情報の範囲その他当該提供を行うに当たって合意しておくべきものとして総務省令で定める事項について、あらかじめ、取決めを締結しなければならない。
と規定し、同法第1項の届出をしたものを「署名検証者」としている。
第17条第1項
行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律第二条第二号に規定する行政機関等(以下「行政機関等」という。)並びに電子署名及び認証業務に関する法律第八条に規定する認定認証事業者及び同法第二条第三項に規定する特定認証業務を行う者であって政令で定める基準に適合するものとして総務大臣が認定する者(以下この項において「認定認証事業者等」という。)は、利用者から通知された電子署名が行われた情報について当該利用者が当該電子署名を行ったことを確認するため、都道府県知事に対して次条第一項の規定による同項に規定する保存期間に係る失効情報の提供及び同条第二項の規定による同項に規定する保存期間に係る失効情報ファイルの提供を求めようとする場合(認定認証事業者等にあっては、同法第二条第三項に規定する特定認証業務を行う場合に限る。)には、あらかじめ、当該都道府県知事に対し、総務省令で定めるところにより、これらの提供を求める旨の届出をしなければならない。
届出権者
1)行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律第二条第二号に規定する行政機関等
第2条第2号 行政機関等 次に掲げるものをいう。
イ 内閣、法律の規定に基づき内閣に置かれる機関若しくは内閣の所轄の下に置かれる機関、宮内庁、内閣府設置法 (平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項
若しくは第二項 に規定する機関、国家行政組織法 (昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項 に規定する機関若しくは会計検査院又はこれらに置かれる機関
ロ イに掲げる機関の職員であって法律上独立に権限を行使することを認められたもの
ハ 地方公共団体又はその機関(議会を除く。)
ニ 独立行政法人(独立行政法人通則法 (平成十一年法律第百三号)第二条第一項 に規定する独立行政法人をいう。)
ホ 法律により直接に設立された法人、特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人(独立行政法人を除く。)又は特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政庁の認可を要する法人のうち、政令で定めるもの
ヘ 行政庁が法律の規定に基づく試験、検査、検定、登録その他の行政上の事務について当該法律に基づきその全部又は一部を行わせる者を指定した場合におけるその指定を受けた者
ト ニからヘまでに掲げる者(ヘに掲げる者については、当該者が法人である場合に限る。)の長
2)電子署名及び認証業務に関する法律第八条に規定する認定認証事業者及び同法第二条第三項に規定する特定認証業務を行う者であって政令で定める基準に適合するものとして総務大臣が認定する者
第8条 第四条第一項の認定を受けた者(以下「認定認証事業者」という。)がその認定に係る業務を行う事業の全部を譲渡し、又は認定認証事業者について相続、合併若しくは分割(その認定に係る業務を行う事業の全部を承継させるものに限る。)があったときは、その事業の全部を譲り受けた者又は相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者。以下この条において同じ。)、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割によりその事業の全部を承継した法人は、その認定認証事業者の地位を承継する。ただし、その事業の全部を譲り受けた者又は相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割によりその事業の全部を承継した法人が第五条各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
第2条第3項 この法律において「特定認証業務」とは、電子署名のうち、その方式に応じて本人だけが行うことができるものとして主務省令で定める基準に適合するものについて行われる認証業務をいう。
以上のように、専門資格者については、現在検証権限が与えられていない。
(付記)
地方公共団体による公的個人認証サービス制度試案骨子に対するパブリックコメントにおいては、行政手続に関与している資格者等(行政書士、弁護士、税理士等)の資格属性を認証する機関(認証局)にもアクセス権を与えるべき、との意見があった。
2003-08-04
「電子情報処理組織を使用する方法による申請の導入等に伴う不動産登記法の改正に関する担当者骨子案及び同補足説明」に対する意見
平成15年7月31日 群馬司法書士会会長 小暮 稔
http://www.sunfield.ne.jp/~shihou/pubcome/pubcome.htm
第1 はじめに―不動産登記法改正の立脚点―
第2 「登記識別情報」の導入に反対し、「電子登記済証」の採用を主張する
第3 電子認証につき有効性確認の方法を設けるべきである
第4 登記官による本人確認権限に反対する
電子登記済証に関する意見書の一部を引用させて頂く
「現在の技術水準を持ってすれば、唯一性・原本性を有し、複製・改ざん・偽造が不可能または著しく困難なシステムを構築することは可能であり、これを可視性・所持性のある形で媒体に保存すること(言い換えれば、「不動産権利の表徴」としての役割を期待すること)も可能である。そうした「電子登記済証」を採用することで、オンライン申請上、現行の登記済証とほぼ同様の機能を果たすことが期待でき、利用者たる国民にとって違和感のない制度が構築できるものと考える。」
もちろん、この技術的水準が今後10年、20年と長期にわたり(実に登記済証が使用されるのはこの程度長期間の後であることは全く希なことではない)維持されるのかという疑問があり、これに対する答えはある意味では現在では検証不可能でもあるわけだが、仮にこのような不安定要素を払拭し得ないとしても、登記済証を残すと言うこの一点に置いて、広く国民の支持を得るところではないかと考える。
■参考文献
◆登記申請のオンライン化と司法書士制度 (萬 實 著 2003東北ブロック司法書士会会報 No.30所収)
1 オンライン登記申請制度研究会の最終報告
2 登記の基本原則の転換
3 実質的調査義務のもたらす登記現場の変容
4 登記原因証明情報の認証
最後の一文を引用させて頂く。
「そこで問題は、登記の正確性の確保と手続の迅速の二つの要請をともに充足するの方途はなにか、ということになる。思うに、まず、手続の迅速については登記の基本原則である審査の消極性と書面審査の原則を堅持し、つぎに、登記の正確性の確保については「民」を活用することに活路を求めるべきものと考える。(以下略)」
◆特集「不動産登記法」−「不動産登記法の改正に関する担当者骨子案」に対する要望− 月刊登記情報(43巻8号)
登記識別情報制度に関する一考察
予告登記の廃止
オンライン登記申請制度導入とその問題点
不動産登記法改正に関する担当者骨子案の読みどころ
と各題する学者及び司法書士の論考
特に、「不動産登記法改正に関する担当者骨子案の読みどころ」(早稲田大学山野目彰夫教授著)における、U権利に関する登記 2 避けられた連件申請の混乱 は重要。
◆不動産登記制度の課題(法務省民事局民事二課長小林昭彦)月刊登記情報(43巻7号)
法務省民事局民事二課長(当時)小林昭彦氏の論文。その最後のは次のように締めくくられている。『不動産登記制度は、不動産取引の安全を図るために不動産の現況及び権利関係を公示する制度であるが、今後とも、そのような機能を十分に果たすことができるよう、制度自体の見直しや制度運営の改善を図る必要があると考えている。』
今次の不動産登記法の改正が、不動産取引の流れを阻害し、特に現実の不動産取引の実態に合わないものであってはならないと考える。
◆司法書士の未来像 月刊登記情報(43巻7号)
「不動産登記業務の未来」、「商業登記(企業法務)業務の未来」、「成年後見業務と司法書士」、「簡裁訴訟代理関係業務と司法書士」、「司法書士の訴訟代理権の具体的検討」、「消費者問題と司法書士」、という表題で全て司法書士が執筆している。
特に不動産登記業務の未来では、「報告書を基に、オンライン申請による売買の立会を予想すると、次のような手順になる。」として、具体的な手順を示しているが、イメージをつかむためには格好の資料となる。
◆特集「不動産登記法改正を考える」(市民と法第19号)
1)オンライン申請における登記原因証書の意義
2)不動産登記法改正後の司法書士の職務
3)オンライン登記申請と司法書士業務−「オンライン登記申請制度の概要(試案)」を素材として−
4)オンライン登記申請に係る問題点の考察
5)オンライン申請における確認事務
と題する小論を全て司法書士が執筆している。
特に、3)の小論において、筆者の主張する「電子登記済証」を発行すべきであるとの主張は一読に値する。
■日本司法書士会連合会(日司連)の意見書(H15.7.31法務省へ提出)
|
意見書骨子(当サイト運営者において抜粋) 全文はこちら。 【総論】 【各論 】 【日司連意見】 (申請手続の構造) 【日司連意見】 オンライン申請において出頭主義を廃止することには賛成する。 4 権利に関する登記における共同申請主義は,維持する。 【日司連意見】 賛成する。 (申請手続における本人確認) 【日司連意見】 賛成する。 5 登記名義人である申請人を確認するための現在の登記済証の提出制度に代替する制度を設ける。
【日司連意見】 以下のように修正提案する。 (2) 登記名義人又はその代理人の請求により,登記識別情報を失効させる制度を設ける。 【日司連意見】 賛成する。 (3) 登記名義人又はその代理人は,手数料を納付して,その登記識別情報が有効である旨の証明を請求することができるものとする。
【日司連意見】 賛成する。 6 登記名義人である申請人が登記識別情報を提供してすべき申請において,その提供をすることができない場合は,登記官において登記名義人が申請人として申請していることを確認するための制度として,現在の事前通知を充実させた制度を用いるものとする。 【日司連意見】 以下のとおり修正提案をする。 7 登記官による申請人の確認についての審査は,申請人又はその代理人から提供された情報のみを対象として行うことを原則とするが,申請人となるべき者以外の者が申請人として申請していると疑うに足りる相当な理由があるときは,登記官は,申請人となるべき者が申請人として申請していることを確認するため,申請人又はその代理人に対し,出頭を求め質問をし,又は必要な情報の提供を求めることができるものとする。 【日司連意見】 反対する。 (権利に関する登記の申請における登記原因証明情報の提供) 【日司連意見】 賛成する。 10 登記原因証明情報は,利害関係人において閲覧することができる登記記録の附属記録とする。
(その他) 【日司連意見】 賛成する。 12 同一の不動産に関する前後が明らかでない数個の申請は,登記所に同時に提供されたものとみなす制度を設ける。 【日司連意見】 賛成する。ただし、郵送申請等の場合に限定するものとする。 13 電子情報処理組織を使用する方法により,登記事項証明書等の送付を請求することを認めるものとする。 【日司連意見】 賛成し、以下のとおり提案する。 第2 現代語化その他 3 不動産を特定するための番号(以下「不動産特定番号」という。)を登記事項とする。 【日司連意見】 賛成する。 5 申請と併せて提供すべき情報が電磁的記録で作成されているときは,申請書を提出する方法による申請においても,当該電磁的記録に記録された情報の内容を記録した電磁的記録を申請書に添付することができるものとする。 【日司連意見】 賛成する。 7 その他,登記の申請に関する規定を整理する。 【日司連意見】 基本的に賛成する。 「承諾書を添付して行う仮登記単独申請の廃止」の検討等、いくつかの事項について検討すべきと考えるが、これらについては別途に意見を取りまとめ提出する。 |
■近畿司法書士会連合会(近司連)の意見書(H15.7.31法務省へ提出)
|
意見書骨子(当サイト運営者において抜粋) T 総論 |
■電子情報処理組織を使用する方法による申請の導入等に伴う不動産登記法の改正に関する担当者骨子案に関する意見募集[PDF](H15.7.1〜7.31)
電子情報処理組織を使用する方法による申請の導入等に伴う不動産登記法の改正に関する担当者骨子案[PDF]
電子情報処理組織を使用する方法による申請の導入等に伴う不動産登記法の改正に関する担当者骨子案の補足説明[PDF]
■法務省発表に対するマスコミ記事
◆日経ネット http://www3.nikkei.co.jp/kensaku/kekka.cfm?id=2003070108899
日付:2003/07/01
電子署名使いネットで不動産登記可能に・法務省案
法務省は1日、不動産登記のインターネット経由の申請・受け付けを可能とするための不動産登記法改正案の骨子案を公表した。電子的な印鑑である電子署名などを活用することで、窓口に行かなくても登記申請できるようになる。電子政府計画の一環として来年の通常国会に法案を提出、2004年度中の実現を目指している。
(以下略)
◆朝日新聞 http://www.asahi.com/housing/news/TKY200307010099.html
不動産登記法改正へ 出向かなくても申請可能に
--------------------------------------------------------------------------------
年間約2000万件に及ぶ不動産登記を迅速・正確に行うため、法務省は不動産登記法を全面改正する方針を固めた。登記手続きのオンライン化を進め、法務局に出向かなくても事務所や自宅から不動産の登記申請を可能にする。インターネット上で本人確認をする必要があるため、名義人だけが知り得る「登記識別記号」というデータを交付する制度を作る。
改正法案の骨子を1日に公表し、来年の通常国会で可決成立を目指す。
(以下略)(03/07/01 10:01)
◆毎日新聞 http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/883246/95s93ae8eY93o8bL-0-1.html
【1】不動産登記電子化:
権利証を廃止へ 代わりに識別番号を交付2003.06.30
法務省は、不動産登記のオンライン化に伴い、登記完了時に所有者に発行している土地や建物の権利証(登記済証)を廃止し、十数けたの数字やアルファベットから成る電子情報(登記識別情報)を交付する方針を固めた。来年度中の実施を目指す考えだが、国民の貴重な財産がインターネット犯罪の対象になる可能性が高いため、省内からも「見切り発車は危険」と不安の声が上がっている。
(以下略)[毎日新聞6月30日] ( 2003-06-30-03:00 )
◆読売新聞
2003.07.02
ネットで不動産登記、法改正案を公表/法務省
東京朝刊 政治
04頁 294字 01段
法務省は1日、インターネットによる不動産登記を認めることを柱とした不動産登記法改正案の骨子案を公表した。来年の通常国会に改正案を提出する予定。
現行制度では、土地の所有権移転などの登記は、不動産権利証と呼ばれる「登記済証」と印鑑証明、印鑑を持参し、法務局の窓口で登記を行うことが原則だ。
骨子案では、不動産権利証を廃止し、代わりに十数ケタの数字やアルファベットからなる「登記識別情報」を発行する。(以下略)
■法務省民事局担当者骨子案(平成15年7月1日公表)のポイント
1)出頭主義の廃止について
郵送申請の採用
| オンライン申請をみとめるところから、その限りにおいては出頭主義の例外となるが、従来の窓口申請(紙申請)においても出頭主義を廃止するかどうかは別論である。 骨子案は、一般利用者の利便性の確保を理由に窓口申請においても出頭主義を廃止し、その結果郵送申請を認める。郵送申請はその形態上、郵便配達員による配達という行為を介在するため、登記所窓口において郵便物の先後関係が不明となることが予想される。郵送申請に対する反対論者の多くの意見も、この受付順位の不確定、混乱を理由とするものであるが、この点骨子案では、『同一の不動産に関する前後が明らかでない数個の申請は,登記所に同時に提供されたものとみなす制度を設ける。 』こととし、この問題を回避している。しかしながら、この同順位(この場合には,申請に同一の受付番号を付することになる(不動産登記法第47条第1項ただし書参照)ので,相互に矛盾する申請については,いずれの申請も却下されることになる。)みなし規定は、権利の優劣を登記の順位で決定をするために登記所において順位を決定するという登記制度の根幹である機能を放棄し、当事者の意思に反し同順位とみなすことで、郵送申請の問題点を解決しようとすることは、本末転倒であり、窓口申請においては出頭主義を維持し、郵送申請は認めるべきではないと考える。 |
2)登記済証について
登記識別情報の採用
保証書制度の廃止
|
(注)以下ここでいう「登記済証」は、一般社会においては「権利書」と認識をされているものをいう。 登記済証を廃止したいという要請があるのだろうか。 確かに、登記済証の偽造による虚偽登記は後を絶たず、偽造を看破できなかったことを理由に国賠訴訟にもなる。だから偽造可能な登記済証はなくしたい、と考えるのだろうか。 ともかくも、骨子案による今後の登記制度は次のような「真正担保機能」を持つこととなる。 ◆登記識別情報の提供がない場合◆ 登記識別情報が提供されない場合とは、登記名義人が登記識別情報を紛失した、失念した、失効させたなどの場合が考えられる。 骨子案においては、この場合において「事前通知制度」によることとしている。ただし、この事前通知は現在のものと同じではなく、より充実させたものが提案されていることになる。それは、一定期間(6ヶ月ないし1年)内に住所変更がなされている登記名義人に対しては、前住所地宛にも通知をするということである。この通知は当然「あて所に尋ね当たりません」という理由で登記所に返送されてくるわけですが、万一当該住所に真実の登記名義人が所在している場合には、受領されるということになり、犯罪の防止に繋がることが大いに期待されている。 なお、『登記の申請の代理を業とすることができる者(司法書士,土地家屋調査士及び弁護士。以下「資格者」という。)』が代理人として申請をしている場合において、『登記名義人を確認したことについて具体的な情報を提供したときは,登記官は,事前通知の手続を経ることなく,当該情報を審査した結果に基づいて本人確認をすることができるものとし』、事前通知を省略できるとされている。なお、この場合でも前住所地宛の通知は省略できないとするのが骨子案の立場である。 |
3)登記原因証書について
登記原因証明情報の必要的提出
申請書副本制度の廃止
|
現行登記法は、登記義務者の本人性を確認することに比べて、登記内容の真実性(例えば「年月日売買」という登記原因)の確認については、登記原因を証する書面(登記原因証書)を添付書面として規定しているが、提出できない場合には「申請書副本」でよいとし、この点における真正担保としては不十分と言わざるを得ない状況にある。 骨子案は、この点に関する反省を踏まえて、登記の真正担保を登記原因に対しても求めるという立場をとるものである。このことはいわば当然のことであって、現行登記法以上に登記の真正担保機能が向上すると考えられる。 |
4)登記官の調査権限の明定化について
|
骨子案では、出頭主義の廃止に伴い,登記官による申請人となるべき者が申請人として申請していることを審査するための権限の内容を明確化することとし、この権限の行使の要件としては、申請人となるべき者以外の者が申請していると疑うに足りる理由があるだけでなく、その理由が相当であることを要求している。 つまり、調査の内容は本人性に限定され、しかも疑わしい相当の理由がある場合として、限定的な権限であることを示している。 しかし、本人性と登記申請意思及びその内容とは、実は単純には切り離して考えることはできないと思われる。例えば、登記官の面前で登記義務者が、本人であることを自認しながらも、登記申請意思を否定したり、登記申請内容につき異なる陳述をした場合、登記官はそれらを無視して本人であればそれでよいとして登記を実行できるかといえば、非常に困難な立場に立つことは明らかである。 このことからも、現在おこなわれている調査権限を明定化する必要は全くないものと考える。提出された書類(情報)に基づく、形式的審査権限に実質的審査権限の要素を盛り込もうとする骨子案の立場には賛成できない。 |
■不動産登記法改正作業の経緯と今後の予定
平成13年度 オンライン登記申請制度研究会(中間報告)
平成14年3月 http://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI43/minji43.html
オンライン登記申請制度の概要(試案)公表
平成14年12月
オンライン登記申請制度の概要(試案)に対する意見(日司連)
平成15年2月 http://www.shiho-shoshi.or.jp/iken/2003/iken/15024.htm
平成14年度 オンライン登記申請制度研究会(最終報告)
平成15年3月 http://www.moj.go.jp/PUBLIC/MINJI32/refer01.pdf
オンライン登記申請制度研究会最終報告書に関する意見募集の実施結果について(報告)(法務省)
オンライン登記申請制度研究会最終報告書に対する意見(日司連)
平成15年4月 http://www.shiho-shoshi.or.jp/iken/2003/iken/150430-1.htm
法務省民事局担当者骨子案の公表
平成15年7月 http://www.moj.go.jp/PUBLIC/MINJI34/refer01.html
http://www.moj.go.jp/PUBLIC/MINJI34/refer02.html (同補足説明)
パブリックコメント募集
平成15年7月1日〜7月31日
【今後の予定】
通常国会提出 平成16年1月
商業登記オンライン申請開始 平成16年8月
改正不動産登記法施行 平成17年1月1日
不動産登記オンライン申請開始 平成17年3月末までに(16年度内)
全国1〜2庁開始
その後拡大
Copyright(C) 2003 司法書士/土地家屋調査士 長谷川事務所( hasegawa@shihoshoshi.com
)
無断転載はご遠慮下さい。なおこのページへのリンクは非商用に限り、ご自由にどうぞ。