参議院
不動産登記法案に対する附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一 本法におけるオンライン申請手続の導入に当たっては、広く国民各層に周知徹底
を図り、国民の不動産等に関する権利が一層保全されるよう適切な運用に努めると
ともに、登記識別情報や電子署名などの情報が、個人の権利及びプライバシーにか
かわる重要情報であることにかんがみ、万全な情報管理体制を構築すること。
二 本法の施行に必要な政省令の制定に当たっては、専門資格者の団体から十分な意
見聴取を行い、その専門的知見を十分活用し、本法の立法趣旨と適合するよう配慮
すること。
三 オンライン申請においては、登記手続と当事者間の代金決済が同時履行できるよ
う、登記代理権不消滅の規定の実効性を確保し関係者の電子署名・電子証明書の有
効性検証の権限を資格者代理人に認める等万全な基盤整備に努めること。
四 登記手続の適正かつ円滑な実施に資するため、オンライン申請においても、無資
格者が業として行う登記申請行為を調査するための適切な措置を講ずること。
五 新たに導入される本人確認に関する登記官の調査権限の運用については、不動産
取引及び登記手続等に支障を来さないよう、十分に配慮すること。
六 公示制度の信頼性を確保し、不動産取引の安全を図るため、登記原因証明情報の
内容の長期保存をすることができるよう適切な措置を検討すること。
七 登記所備付地図の一層の整備促進を図り、そのための十分な人的物的整備に努め
るとともに、それを利用する者にとってより利便性の高いものとするため、専門資
格者の団体から十分な意見聴取を行い、その在り方について検討すること。
八 表示に関する登記申請における添付書面及び事実関係を疎明する書面等の取扱い
については、登記官による審査の迅速性を確保し、国民の負担を軽減するため、資
格者代理人の制度の活用を図ること。
九 不動産取引及び登記実務等の重要性にかんがみ、本法の施行の状況、今後の技術
進歩等について常に注視するとともに、改善の必要が生じたときは、速やかに所要
の措置を講ずること。
右決議する。