簡易裁判所の民事訴訟について、法務省は12日までに、100時間の研修と認定試験を条件に、
司法書士に弁護士と同様の訴訟代理権を与える方針を固めた。司法改革の事実上の第1弾で、登
記手続きの代理や裁判所への提出文書作成などを行う司法書士が、弁護士業務の一部を担うこと
になる。法務省は来年4月以後の実施を目指し、司法書士法の改正案を開会中の国会に提出する。
司法書士などいわば異業種が弁護士業務に参入する方向は、司法制度改革審議会の意見書で
打ち出されていたが、その具体的な条件が固まったのは初めて。
関係者によると、研修は、日本司法書士会連合会が、法務省のチェックを受けたうえで、都道府県
単位で実施する方向が決まった。民法や商法など基本法は、司法書士試験で実施されるため、研修
では、主に弁論能力や法曹倫理を学び、弁護士を講師としたゼミや、模擬裁判などが中心になる。研
修期間は、週末や夜間を利用して1カ月程度になる予定。
認定試験(考査)は、ペーパー試験で実施する方針。裁判官も含めた法曹三者が試験委員として監
督するが、「証人尋問のやり方などが体得できているか確認するような内容」(法務省)で、研修を受け
れば相当数が認定され、訴額90万円以内の簡裁の民事訴訟や調停の訴訟代理人ができることにな
る見通しだ。
司法書士は全国で約1万7000人で、弁護士とほぼ同数いる。同連合会は、近く会員にアンケート
調査を実施して、研修・認定試験の希望者数を調査するという。
今国会では、特許庁も特許権等の侵害訴訟で、一定の研修と試験を経た弁理士に訴訟代理権を
付与する弁理士法の改正案を提出する予定。(毎日新聞)
[2月12日15時21分更新]