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物語の中の司法書士

Shihoshoshi in novels

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[Entry number 007]

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Entry nubmer 007 紹介者
根木康孝
著者
水野喜久朗
題名
迷走登記
出版社
アテネ社
内容
知らぬ間に会社と土地が他人のものになっていた。しかも、全てが合法的に手続されている。完璧に管理されている はずの「登記システム」がこんな簡単に壊されてよいのか。脆弱な印鑑社会の盲点を突いた異色の犯罪小説。 (同帯紙より)

登場場面
司法書士の三木です」
山井に名刺を渡し、山井もまた名刺を三木に差し出した。
「どうも、はじめまして。山井印刷の山井です。お忙し
いところ時間を取らせて申し訳ありません」
「いや、構いません。今、一通りの事情をうちの事務員
から聞きました。しかし、妙な話ですね。売買した覚え
もないのに、所有権移転が為されている。今年の、十月
十五日・・・・・・、ついこの間じゃないですか」
 女性事務員の手によって、今日取得して来たばかりの
登記事項証明書に目を落とすと、三木はそう言った。
「そうなんです。全く覚えがないんです」
「そうですか」
落ち着き払った口調で、三木は呟く。
 司法書士の三木清道(みききよみち)は、銀行マンあ
がりである。若い頃、某銀行のエリート行員として入社
したが、組織に馴染めず銀行を去った。組織を必要とし
ない、一匹狼的な性格を持つ。その後、ゴルフ会員権等
の販売を手がけていたが、これも断念する。やがて、一
念発起し司法書士の資格に挑み、みごと合格して司法書
士になった。三木は司法書士と不動産鑑定士の資格を併
せ持つ。弁護士、公認会計士と並び称される、不動産鑑
定士の資格をみごと一発で合格している。もっとも司法
書士の方は、数年かけたようではあるが。三木はその経
験の豊富さから、一種掴み所のない一面も持ち併せてい
る。
(同書73〜74ページ より)

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